高齢者 認知症 初期状態 

テレビを見ていると、「この女優の名前はなんだったかな?」「今何かをしようとしていたのに、思い出せない」そんな経験はないでしょうか?

年を取ると誰でも、物忘れをしたり、覚えにくくなったりします。
この物忘れには、2つあるといわれています。

1つは加齢からくるものと、もう1つは認知症からの物忘れです。
本ページは、認知症の初期状態とその予防についてお話しします。

認知症も初期のうちに対処をすると、進行を遅くすることが可能となります。

〇本日のテーマ  
 高齢者 認知症 初期症状 

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

青い下線は、過去の記事にリンクします。詳しく知りたい人はクイックしてください。

高齢者 認知症 初期症状

認知症も、それ以前の段階があり、様座な分類があります。まず、加齢による物忘れと、認知症による物忘れを対比してみましょう。

【認知症の物忘れの特徴】
認知症の物忘れの場合の特徴は、次の点が挙げられると思います。

加齢による物忘れ          認知症による物忘れ    
物事の一部を忘れる。        物事の全部を忘れることがある。
新しいことを覚えられない。     新しいことを覚えられないこと    
                  と、覚えていたことを思い出せ     
                  ないのが、顕著  
日時・場所は覚えている。      日時・場所が分からなくなる
物忘れの自覚がある。        物忘れの自覚がない
日常生活の支障がみられない。    日常生活の支障が頻繁にみられる
緩やかな進行            急速な進行
加齢と認知症の違い

認知症は、65歳以上が多いのですが、それより以前の「MCI(軽度認知障害)」が現れることがあります。MCIは認知症の前段階になります。

さらに、このMCIより、以前の「プレMCI」まで含めると、40代から認知症が始まることがあります。このMCIと、プレMCIが「隠れ認知症」の段階と言えます。

【MCIから進行する割合】
MCIから、さらに進行する場合を「コンバージョン」といい、その割合は年に5%前後から15%前後と言われています。                                                   一方、MCIから、回復する場合を「リバージョン」と呼ばれ、その割合は年に15%前後から、40%前後とされています。
つまり、早期発見を行えば、かなりの割合で回復する見込みがあります。

【リバージョンしやすい活動】
さまざまな調査から、リバージョンが起こりやすい状況がわかってきました。
それは、「習い事」「読書」「趣味やスポーツ」「町内会などに参加」「庭仕事」など、社会活動行い、活発に動くことです。

これらを分類すると、次の通りになります。
● 日常生活を送るうえで、手段的なことを積極的におこなう。
 バスや車で出かける。金銭の管理。知らない土地へ行ってみる。など

● 認知活動を積極的に行う。
 読書や新聞を読む。パソコンの操作。クイズなどの頭を使う活動。など

● 社会活動を積極的に行う。
 会話を積極的に行う。人の役に立つ活動。町内会などに参加。スポーツ、趣味。など

● 物を作ってみる。
  庭仕事、畑仕事。家事を行う。ペットなどの世話を行う。孫との会話。など

注意すべき兆候】
以下に米国の精神医学会の診断基準をあげましたが、身近で、次のことに注意をしてください。3,4個あったら、

● 同じことを何度も話してしまう。
● 昨日の夕食のメニューが分からないことが度々ある。
● 別のことをすると、直前のことをわすれてしまう。
● 道を間違えたり、迷ったりする。
● 段取りが悪くなり、まごつく。
● 何事もおっくうで面倒くさい。
● 趣味に興味を失った。
● ニュースや新聞、雑誌を観なくなった。
● お釣りなど、買い物の際、勘定ができにくくなった。
● 毎日、行ってきたことをわすれてしまうことがある。

次は米国医学界の診断基準です。

1.いろいろな認知機能の衰え。記憶障害以外に、言葉を忘れる、行動を失敗する、認識を誤る、遂行行動がうまくできない。このうちの一つ以上。

2.認知機能がうまく働かないので、社会的または職業的機能の著しい障害を引き起こし、認知機能が悪くなる前の機能水準から著しく低下している。

3.認知機能の低下はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。
せん妄とは、脳卒中、認知症、パーキンソン病などを有する人は、風邪、便秘、睡眠不足、(また若年層でも、高熱、肺炎、腎不全で)、精神的な変調をきたし、幻覚、妄想、錯乱などが起こることである。このような時だけでなく、普段から認知機能の低下がみられることである。

4.認知症症状が、原因である一般身体疾患の直接的な結果であるという証拠が必要。
例えば、脳に何らかの変化が認めらえるなどである。

〇 まとめ
認知症初期では、防止することが可能であるとのことが分かっています。
早めの対応が大切になります。
自分の身体や心がいつもと違うということを早くキャッチしましょう。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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