
昨日は高齢者が陥りやすい行動パターンについてお話ししました。
高齢者が陥りやすい行動は、「同じ話を繰り返す」「自慢話ばかりする」「頑固になる」「突然キレる」「詐欺に遭いやすい」「笑わない(感情を余り出さない)」等々です。
これらを毎日のように繰り返されると、一緒にいる家族も滅入ってしまうこともあります。
ただ、それぞれの態度には理由があり、まず、その理由をしっかりと捕まえて、話を聞いてあげることが解決の糸口になってきます。
本日は、ガーデニングについです。
ガーデニングとは
ガーデニングとは「家庭で行われる園芸、造園の一種」とされています。家庭の庭で好きな草花や野菜などを作るのが一般的でしょう。
ただ最近は、ガーデニングはそのような園芸や造園ばかりでなく、心と体に健康な面が多々あることが注目されます。
ガーデニング効果
ガーデニングで、のんびりゆったりと自然を相手にすることで、まわりの状況を観察でき、認知症予防にも役立ちます。
ガーデニングでは、植物や土に「触れ」、花や緑を「見て」、においを「嗅ぎ」、時に鳥のさえずりや、風の音を「聞き」、収穫した野菜などを「味わう」という5感全てをつかいます。
さらには、良い作物と育てるためには、肥料の調合、日照が良い場所の選定など細かい知識が必要です。
初めての人は、本を片手に知識を頭に入れようとするでしょう。また、他の人からやり方を聞いてメモを取ることもありましょう。
要するに認知のあらゆる機能を駆使して、作物を育てていくのです。
日光を浴びることで、体内時計がリセットされたり、幸せホルモンとされるセロトニンの分泌が促進されます。女性は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の防止に役立ちます。
いわば、ガーデニングは精神的な安定と認知症の予防にうってつけの趣味であります。

ガーデニング 運動効果
ガーデニングは、まず座ったり立ったりを繰り返すので、足腰にとても良いです(ただ、人によっては、腰をかがめているので腰痛に注意が必要です)。筋肉運動と有酸素運動を行い生活習慣病を改善します。
さらに、雑草を取るために、手を懸命に動かします。
作物の成長と共に、より多く雑草を刈ったり、地面を整えたりと、労力が増えていきます。
ただ、それも疲れた時は少しゆっくりと、できる時は強くと、労働を調節できます。体がひどく疲れた場合は、3日に分けるとか、いろいろな工夫ができるものです。
動脈硬化や脂質異常などの血管の改善、虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血の予防にもなります。
ただ、ガーデニングの運動量は、毎日行うことで、少しずつ慣れてきます。
天気 ガーデニング
一週間の天気予報を見て、「水曜日は雨だから、雑草は月・火で」とか、自分で計画を立てて、作業をすると、より認知症などによい効果を生み出します。
計画、実施、反省を実践しながら、よりよい作物をつくろうとすることは、自分の行動をマネジメントしていると言っても過言ではありません。
ガーデニング 庭なし
庭がないので、家庭菜園ができないと考える人がいるかも知れませんが、庭でなくてもプランター栽培などから開始することもできます。
庭がなくても家庭菜園は始められます。日当たり、風通しが良い場所を選んでプランター栽培から始めましょう。準備するアイテムを紹介します。
失敗の少ないミニトマトや、キュウリなどが初めのころはお手軽だと思います。
ミニトマトを4苗を植えようものなら、毎日のように、大ボール一杯のミニトマトが収穫できることがあります。
食べられなかったら、隣近所や親類、知人に配ると、そこから思ってもいない交流が始まったりします。
分からない場合は、ホームセンターに行って係の人の助言を聞いたり、ガーデニングの本をかって、「ああでもない」「こうでもない」と試行錯誤をすることが大切です。
買うものをざっと記すると、「プランター」「培養土」「シャベル」「じょうろ(ホースについている場合はそれでOK)」「苗(ミニトマトの場合は、大抵300円前後です)」
これらを買ってきたら、プランターに土を入れ、苗を植えて、水をやります。必要に応じて、追肥を行っています。
日の当たるところに置いて、毎日水をやります。外に置いてある時は、雨が降った時は、水を控えるようにします。
トマトの場合は「わき芽」を取って整理しておくことが大切です。
こうして成功すると、収穫の時期には面白いようになります。
めるうち、どんどん詳しくなっていくので心配しなくても大丈夫です。

室内 家庭菜園
室内で家庭菜園を楽しむことができます。
プランターは受け皿が附属されているものが良いでしょう。また、プラスチックのものを選ぶと、清潔に作業ができます。
土は予め配合済みのものを選ぶと、後で配合し直しをしなくて済みます。お店の人に相談してください。
場所は日当たりの良い所に置き、毎日少しずつ水を上げると成長が手に取るように分かり、たのしいものです。
ガーデニング 仲間
ガーデニングの仲間と伴に、作物を贈答したり、できを品評したり、苦労話に花を咲かせたりで、他者とのコミュニケーションにつながります。
お互いにそれなりの苦労をしているので、結構話がはずんだりして、高齢者の人間関係作りに一役買います。
高齢者のQOLを良くし、認知症予防にもなります。