
昨日は、季節感を味わうことが認知機能を低下させず、生活に潤いをもたらすことを述べました。
施設に入った時は、積極的に行事(例えばクリスマス会)に参加することが大切ですが、いつも消極的な人は、少しずつ参加していくのが良いでしょう。
自宅にいる人は、買い物に行ったり、料理を取ったりして、季節感を出していくと良いでしょう。
本日は高齢化に伴う、親の行動の変化です。
〇本日のテーマ 高齢者 行動パターン
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
高齢者 行動バターン
親が高齢者になると、家族として、関係性を保つことに苦労することがあります。いつくかの例を挙げて、それに対する対応を考えましょう。
高齢者 同じ話を繰り返す
家族が介護疲れを感じるものとして、同じ話を何度もすることがあげられます。
特に認知症になると、話したことを忘れてしまい、同じ話をします。
では、親が同じ話をするのはどのような時でしょうか?
よく指摘されるのが、「間違っていないだろうか?」「みんなに迷惑になっていないだろうか?」と不安になる時とされます。
そのような時は、親の不安を感じ取り、ゆっくりと話をきいてあげることです。「また同じ話をして!」と責めるといよいよ不安が強くなります。

高齢者 きれる
高齢になると、ちょっとのことで突然キレてしまうことがあります。
怒りは第2次感情で、怒りのもととなる第1次感情があります。
その感情が、「不安」「悲しみ」だったりします。つまり、加齢とともに、できていたことができなくなり、その不安が怒りに変換されて現れてきます。
対応の仕方は、怒りに対抗することはやめて、怒りを受け流しながら、心が落ち着いた時に、何がイライラの原因かを話し合うのも一つの手です。
頑固
高齢になると「自分が正当」と述べて、自分の考えを変えないことがあります。
これも今までできたことができなくなり、「自分を守りたい」「今までのやり方が正しい」と言った表れです。
親の言うことももっともな場合は、親の意見を肯定しながら、それを取り入れることが大切です。
また、できなくなったことへの思いやりも寛容です。
高齢者 笑わない
波がありますが、親が感情をあまり表さなくなったり、笑わなくなったりしたら注意をしてください。
まず、高齢者うつ病にかかっている可能性があります。その場合は、早めに医者に診てもらい、薬などを処方してもらいましょう。
さらに無関心になる場合は、温かく見守り、声掛けをしてあげましょう。
高齢者 詐欺被害
高齢者は孤独感にさいなまれると、自分の話を聞いてくれる人をついつい信じてしまいます。詐欺を受けやすくなります。
また、認知機能の低下から、詐欺の手口に気が付かないことがあります。一人暮らし親に電話がかかってきたら、どんな電話かを子供に報告する。家族と住んでいる時は、親は電話にでない。
また、ATMには、子供と一緒にいくというルール決めが大切です。
高齢者 物忘れ
一番近い記憶から、忘れてしまうのが認知症の物忘れの特徴です。物忘れを指摘し、本人を否定すると、本人は自信を失ったり、悲しくなったりします。
けして「待ち合わせ」「約束をしたこと」など、忘れてしまっても、本人を責めずに対処しましょう。
また、物忘れに対応するために、メモ書きを用意しておくとか、何らかの対応をしましょう。火の取り扱い、鍵の閉め忘れ等、重大事故につながるものは、特に注意してください。
高齢者 ひがみっぽい
「そんなことは、私には無理。私なんて・・」とひがんでしまうことを良く高齢者にめにします。
これはストレスに対して、なんとか不安を和らげようとしているのです。
体思うように動かないストレス、上手く言葉が出てこないストレス等々、
高齢者はさまざまなストレスにさいなまれます。
この場合も、高齢者の話をよく聞いてあげて、不安を和らげることが大切です。
高齢者 自慢話
良く高齢者の中には、自分の若い頃の自慢話ばかりして、家族がうんざりとしてしまうことがあります。
これは、自尊心(プライド)が高い人に起こりがちであり、認知機能の低下とともにおこってきます。
若い頃、出世してそれを誇りに思っている人、さまざまな困難を乗り越えて会社を大きくした人など、自分の人生のプライドがなせるわざです。
これも否定をせずに、話を受け流すことが大切です。さらに、趣味や町内会の仕事など、何かに没頭できるものを見つけて上げると、自然と治まっていきます。