高齢者 配偶者との死別

昨日は香りと脳の活動の関係を述べました。

香りは脳の活動に影響を及ぼして、上手に使うことで、うまく脳を活性化することができます。

例えば、あまり良く眠れないときなど、ヒノキの香りを嗅ぐことで、自律神経を鎮静化してスッと眠りに入ることができます。

また、ラベンダーの香りは、副交感神経を優位にし、リラックスできるようになります。

脳波も、α(アルファ)波が出現して脳血流が増え、認知症などの予防にもなります。

香りを生活の中にうまく取り入れると良いと思います。

本日は「配偶者との死別」の話です。

〇本日のテーマ  

高齢者  配偶者の死

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

配偶者が先立ち、一人になった場合

最大のストレス「配偶者との死別」

全ての人ではありませんが、高齢になると頑固になり、保守的傾向が強くなる傾向があります。

同時に、他者に厳しくなり、疑いの気持ちをもちやすくなります。さらに、死への不安から、健康状態への関心が非常に高まったりします。

このような高齢者の精神の変化にはいろいろな原因があります。

特に喪失体験は強く、高齢者の精神を変化させます。

特に配偶者との死別を経験すると、大きな喪失感を味わいます。この喪失感は次第に、生きがいの喪失や孤独感をもたらします。

以前、ストレスのところでご紹介しましたが、ストレスの中で一番強く心にのしかかってくるのは、「配偶者の死」です。

女性が後に残される場合

男性の寿命が長くなり、2016年には、80歳を超えて亡くなる人は、男性全体の過半数を超えるようになりました。

女性は、80歳過ぎると認知症が急増する傾向があり、80歳後半では60%前後に認知症の兆候が現れます。

夫がいれば、なんとか認知症が発症しても、夫の助けを借りながら、なんとか生活のやりくりができたのですが、それができなくなります。

また、夫に先立たれると、それまで夫のために料理をしていたのですが、それも必要がなくなり、料理も作らなくなる傾向があります。

一度煮物などを作るとそれを何日に分けて食べたり、面倒くさくなり、食べなかったりします。

すると、知らず知らずにうちに低栄養状態になり、骨が脆くなったり、筋肉が衰えたりして、フレイルの状況に陥ります。

心身ともに衰える状況は以前、お話しました。

男性が後に残される場合

妻に先立たれ、男性が一人暮らしになると、いよいよ、深刻な事態を招くことがあります。

まず、男性は会社(勤め先)の中で、人間関係を築くことが専らで、会社を退職すると人間関係は大体が妻とのやりとりが中心になります。

また、年齢を重なると、男性は会話をしない傾向がみられます。

古い資料ですが(平成17年)、ある機関が65歳以上の男性の会話に関してを調査したかものがあります(たぶんこの傾向は、いまも同じと想います)。

それによると、65歳以上の男性の6、7人に1人は「2週間で1回以下」しか会話をしないとされます。

会話をしないことは、認知症の発症を誘引する因子になります。

さらに、人間関係が少ないことから、体に何らかの異常をきたした場合も、発見が遅れたり、孤独死の原因になったりします。

10年ほど前に、「無縁社会」というのが、話題になりましたが、まさに妻を失った男性は他人と縁がない状況におかれることになります。

また、料理を若い頃覚えていなかったことから、カップラーメンや、パンにハムを挟むだけの食事をしたり、こちらも低栄養を招くことがあります。

男性の場合は、女性よりひどく、何を食べていいかさえ分からないことがあります。何十年も妻の出すご飯を受け身に食べていたことによります。

一人になった時の対処法

一人になった時の対処法としては、二人そろって元気なうちに、多様な人間関係を築いておくことです。

例えば、町内会のお付き合いなどです。趣味を通してのお付き合いも宜しいでしょう。

昔は、お寺の檀家(だんか)制度があって、お寺で行う行事(彼岸のお参り)の準備のお手伝いしたりしました。

お盆などは、お寺に集まって、お盆のお膳を用意したりしました。その時、地域の人みんなで、互いを励ましたり、見守りをしたりしました。

いまでも、大きなお寺でそのようなことをやっている所もあれば、利用するのも一つの方法です。

また、配偶者が亡くなって、残された方が、気持ちをガックリと落とさぬように、周りの配慮が必要になります。

残された方も、亡くなられた方の分も元気よく生きていくことが、その方の気持ちを受け継ぐことになるなど、ポジティブな思考が大切です。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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