
生活習慣病とは、疾患の原因が食事、運動、睡眠等などの生活習慣に関わって発症するものです。
代表的なものは糖尿病、高血圧症、脂質異常症等々です。さらに、脳出血、脳梗塞なども生活習慣病とされています。
最近は認知症やフレイルも生活習慣病に加えるとの考えもなされています。
本日は、高齢者のQOLです。
〇本日のテーマ 高齢者 生活習慣病
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
高齢者 QOL
高齢者 QOLとは
QOL (Quality Of Life)は「生活の質」「人生の質」などと訳されます。
「よりよく生きる(生活する)」「活き活きとした生活を送る」という意味が含まれています。
QOL の上昇には身体の健康・精神の健康(生命の質)、生活の機能(生活の質)、社会性(人生の質)の向上が必要です。
つまり高齢者QOLとは、生命の質、生活の質、人生の質を向上させ、生活の質を向上させることです。
その向上を実現するためには、具体的には、高齢者自身の「生きがい」などを見つけることが大切です。
生きがいを生み出すためには、家族、友人などの「人とのつながり」、余暇活動・地域活動などの「社会とのつながり」、活き活きといきるための良い「健康状態」が必要と言われています。
つまり、健康でよく食べて、寝て、気のあった仲間と過ごし、好きなことをしつつ、社会活動も行うなどすると、QOLを高まります。

高齢者 QOL低下
逆に言うと、健康、人間関係、余暇活動などがうまくいかなかったり、問題があるとQOLが下がっていきます。
具体的には、次のものが考えられます。
高齢者 食事 気をつけること
身体の機能、認知の機能が悪くなり、食事の摂取が悪化すると低栄養になったりします。
また、逆に糖分の取りすぎや、栄養状態が悪くなると糖尿病の発症や、脂質異常、動脈硬化などが発症します。
そこから、虚血性の心疾患、脳梗塞、脳出血、腎臓の疾患などを発症します。さらに、栄養状態のバランスを崩すと低栄養状態になります。
また、生活習慣病が発現するとADLが低下し、結果的にQOLが低下します。
糖質コントールがうまくいかない人は、一度相談をしてみたらどうでしょう?

高齢者 運動不足
運動量が減少すると、身体・認知機能の低下、生活習慣病が発現します。活動することへの意欲も落ちQOLが低下します。
筋肉量がおちることで、サルコペニアなどの発症、さらに進んでフレイルのようになる可能性もあります。
また、運動不足により骨にある程度の負荷をかけないため、骨形成の際のカルシウムの利用効率が悪くなり、骨粗鬆症の要因となります。
過度のストレス
過度のストレスによって心の安寧(あんねい)が乱されることがあります。
様々なことの意欲・関心が低下して、生活を楽しむことができません。
早朝覚醒、不眠症などの睡眠障害を発症し、うつ病を発症したり、不安にとらわれます。
ま心の健康が損なわれると日々の生活に充実感がなくなり、QOLの低下につながります。
ストレスが耐えられないようであれば、そこから離れることを考えなければなりません。カウンセリング等の手段もあります。
地域包括支援センターに相談するのも一つの方法です。
慢性疼痛
高齢者は腰痛、関節、神経、筋などに慢性疼痛が現れたりします。
疼痛には痛みには、鋭い・鈍い痛み、間欠的・持続的な痛み、拍動性・一定した痛みなどがあります。
慢性疼痛は身体のみならず、心理的不安を引き起こします。疼痛がすすみ、要介護、フレイルに陥る不安に駆られることがあります。
不安があまり強いと服薬を飲みすぎたりして、かえって身体不調を生ずることがあります。
そのような事態になると、QOLが低下します。早めの医師の診察を仰ぐことが大切です。
貧困
高齢者になり、経済状態が低い水準にあると、旅行したり、買い物もままならなくなります。
目に見える幸福感が得られません。やはり、幸福な状況は、ある程度の物質的なゆとりも必要です。
たまには旅行に行ったり、食べたいものを食べたり、好きなものを買ったりすることは、心を豊かにします(無論、そうでない人もいるとは思います)。
貧困状態に陥ると、やはりQOLが陥ってきます。
もはや、生きるレベルでなくなる場合は生活保護の申請という方法もあります。
フレイル
フレイルとは「加齢、慢性疾患の発症により、心身が老いて衰えた状態」のことです。
フレイルの状態になると、身体全体の機能の低下から脆弱な状態になります。
フレイルに陥ると、病気にかかりやすくなります。
風邪から肺炎になったり、足腰が衰え、転倒して骨折、さらには寝たきりや要介護になったりします。
また、身体がうまく動かないので、イライラして感情を昂らせることもあります。
高齢者 QOL 向上
上記したように「運動」「栄養」「社会参加」をバランスよく取り組むことが必要です。
高齢者 運動
運動は自分のできる範囲で、ウォーキングなどの有酸素運動とスクワットなどの筋肉運動、さらにはストレッチなどの柔軟運動を組み合わせるのが良いでしょう。
特に筋肉運動を行うことで成長ホルモンが分泌されて、より健康に過ごすことができるようになります。
また、コグニサイズなど、楽しんで行うことも大切です。
栄養
「栄養」は口のまわりの筋肉、口の中の清潔さを保つことが大切です。
さらに、栄養のバランスを考えて食事を摂ることが大切になります。
糖分に気をつけて、タンパク質の摂取量が減るのに注意です。タンパク質が減ると低栄養状態になったりします。
一人暮らしのお年寄りの方は特に、ご飯を作らなくなることもあり、低栄養状態にいつのまにか陥ることもあります。
作るのがめんどうになってきたら、食事を配送してもらうという手もあります。一日一食から置き換えという方法を提案しています。

さらに、ビタミン類の摂取を考え、脂分にも注意をしてください。
また、孤食でご飯を食べると、楽しみが少なくなり、食事が進まなくなります。
周りの方などといろいろと方策を講ずるのが大切です。
社会参加
趣味などで、友人とのコミュニケーションを楽しんでいる社会性の高い人の方がフレイルのリスクが低いとの報告もあります。
自分の興味がわくこと、出来る範囲でよろしいので、地域活動に参加していくと、段々とやりがいなどを見つけることができます。
また、社会参加などをやり通すことで、自分の自信につながっていきます。