強迫性障害とは5 「醜形恐怖」「抜毛症」等、合併しやすい精神症状 /ポジティブシンキング 「1.5の人間関係SNS」

信じられないかもしれませんが、動物も強迫症のような行動をとることがあります。
自分の体を清潔にしようと、自分の体を一生懸命になめて、毛が抜けて、毛が抜けて皮膚が現れたりします。

犬用の強迫性障害の薬も現在あり、また、犬などの動物のエサの置き場を毎回変えて、一つのことをさせない(強迫的行為をさせない)工夫などが試みられています。

昨日は、「懺悔強迫」「ためこみ症」のお話をしました。今日は、自分の容姿にとらわれる「醜形恐怖」、髪を抜いたりする「抜毛症」「爪かみ症」などのお話をします。

また、うつ病との関連を昨日のべましたが、本日は合併しやすい精神症状を解説します。
また、ポジティブシンキングは、「1.5の人間関係SNS」についてです。

〇本日のテーマ       
1.強迫性障害とは「醜形恐怖」「抜毛症」等、合併しやすい精神症状
2.ポジティブシンキング  「1.1.5の人間関係SNS」

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・心理学は、ポジティブシンキング(プラス思考)の方法を述べています。

青い下線は、過去の記事にリンクします。詳しく知りたい人はクイックしてください。

強迫性障害とは 「醜形恐怖症」「抜毛症」等

【醜形恐怖症について】

醜形恐怖症は、自分の体や顔の一部が「整わない」「醜い」と考えにとらわれてしまう症状です。他人が見ても気にならないことが多いのですが、本人はそう捉えません。

強迫性障害でありますが、以前は「身体表現性障害」に含まれていました。
鏡を繰り返し見たり、化粧が必要になり、症状が重くなると、鏡の他、ガラス等、姿の映るものを全て避けるようになります。

自分の容姿を整えるあまり、時間どおりに外出できなかったり、人と顔を合わせるのが怖くて引きこもりになったりします。

さらに、体に良い物、美しくなる食料品、美容品、さらに栄養価のバランスを非常にこだわるようになります。

あまりに自分の姿にこだわるあまりに、整形手術を繰り返し、借金を繰り返すこともあります。
男性の場合は、筋肉隆々の肉体を手に入れようと、体が壊れるまでの運動を繰り返したりします。

醜形恐怖症から、やせるために摂食障害(異常な過食、少食)に陥ることもあります。
原因は、周りの人から「太った?」と言われたり、「もう少し〇〇が良かったら」と体の一部を指摘されたことにより発症すると言われています。

抜毛症・皮膚むしり症・爪かみ症】
衝動的にやってしまい、やめようと思ってもやめられません。

1.抜毛症
毛を抜く時の「ぷつん」という感覚が忘れられずに、髪を抜きます。
テレビを観たり、何かをしている時に手で髪の毛を抜きます。巻き毛などを探して抜くこともあります。

抜毛症は、髪の毛だけでなく、眉毛、まつ毛、鼻毛、陰毛も対象になることがあります。毎日、数時間にわたる抜毛により、頭がはげてしまったりすると帽子やかつらなどで隠すようようになります。

2.皮膚むしり症・爪噛み症
かかとのかさついた部分、手のささくれ、傷のかさぶたをはがしてしまったりします。
また、爪が少し伸びると、それを噛んでみじかくします。

むしったり噛んだりした部分が肌荒れしたりしても、他人が指摘をしてもやめられません。
時間を多く費やし、自分の生活に支障が出たり、本人ばかりでなく家族の困惑が起こることが、治療の目安になります。

「醜形恐怖症」や「抜毛・爪噛み症」などは、自己嫌悪感から、うつ病をひきおこすことがあります。

【合併しやすい神経症状】

よく言われているのは、以前説明をした「パニック障害」双極性障害(躁うつ病)、社会不安障害、うつ病ADHD自閉スペクトラム症、チック症、トゥレット障害などの発達障害などです。

特に、うつ病は強迫症状が出た後、自己嫌悪に陥いることから、起こりやすいので注意が必要です。
双極障害(躁うつ病)でも、うつ状態のときに強迫症状が起きやすいとされます。

パニック障害はパニック障害とうつ病を交互に発症し、重くなる可能性があります。
特に注意をしてください。

相談できるところは相談を。
次の所は、就職支援ですが、その中に、自分のうつ病理解と、ストレスマネジメント、アンガー(怒り:自分への怒りも入ります)マネジメント、認知行動療法等が含まれています。
要するに、うつをコントロールするようにトレーニングしてくれます。半数近くの人が手続きをして無料で受講しているとのことです。お勧めです。 →【atGPジョブトレ】

チック症というのは、意識をしないのに、顔をピクピク動かしたり、顔をしかめたり、瞬きをしたり、肩をすくめるなど(運動性チック)の症状と、奇声をあげるなど(音声チック)の症状があります。

この運動性チックと音声チックの2つを持っているのをトゥレット症候群と言います。
いずれにしても強迫症を発症します。

ADHDは、注意欠陥から、忘れ物などが多く、遅刻などをしがちなので、それを治そうと強迫症を発症することがあります。

ポジティブシンキング 「1.5の人間関係SNS」

2人の人間がやり取りをするときは、2人の関係です。独り言を喋っている時は、1人の関係です。
では、独り言のように語らいながら、相手がいるSNSは何人の関係といえるでしょうか?
かつて、精神分析の権威であった、故小此木啓吾先生は、SNSを1.5人の人間関係と呼びました。

親密な2人の関係になると、(SNSを使いすぎると)相手の時間を潰したり、自分の時間が潰れたり、または相手を傷つける言葉を発したりします。

つまり、近づく(SNSを使いすぎると)と相手と自分は傷ついて、離れると(SNSを全くやらない1人になると)寂しく思ったりします。

傷付けない、寂しく思わない関係が、1.5人の関係と言う訳です。

これを小此木先生は「ヤマアラシのジレンマ」と言って、寂しいので、ヤマアラシ同士が近づくと、その針で相手を傷つけてしまうことに、例えています。

SNSにはまりすぎると、自分と他人を傷つけて、疲れて果てているのに、SNSを続けている人がいます。明らかにヤマアラシのジレンマに陥っているのですね。

SNSをやりながら、自分の感覚で、1.5人の関係以上の2人の関係になっているなあとか、全く寂しく1人だなあと判断ができると思います。

用事以外の時で、寂しさを感じたときに、友達とやり取りをして、あまりに頻繁にやり取りをしている時は、やり取りを控えるという1.5人の関係がベストだと思います。

ただ、恋人とか、パートナーとか、親密さを増している場合は、2人の関係でも、自分や他人が疲れたり、傷つける言葉をきをつけながらの関係はありかもしれません。

また、ラインなど「既読」が付かないと、「相手に承認されていない」と勘違いしたりすることもあります。くれぐれも相手に承認を求めすぎることのないように注意をする必要があります。

 

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
カテゴリー: 未分類 パーマリンク