職場などで人間関係に巻き込まれる(人格障害から)
境界例の人との人間関係に巻き込こまれやすい人とは?
こちらを素晴らしいと言ったのに急に、「バカ」とか「死ね」などと態度を変え、言葉を吐いたりする人がいます。
また、強い見捨てられ不安から、無視をすると急激に悲哀にくれたりします。いずれも境界例の人の特徴です。
境界例の人との人間関係に巻き込まれやすい人はどんな人でしょうか。
こういった疑問にお答えします。ここでは境界性人格障害を「境界例」と呼びます。
○ 本記事のテーマ
境界例の人のターゲットなり、巻き込まれ、ズタズタにやすい人の特徴
○ 今週の流れは以下のとおりです。
①境界性人格障害の原因とチェック法(昨日) ②境界性人格障害のターゲットとされやすい人(本日) ③境界性人格障害の人からの巻き込みをブロックする方法(明日) ④その他(その後)
○ 記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。30年以上、人の悩みの相談を受けてきました。
○ 読者の皆様への前置き
人格障害は1回で終わらないので、複数回数掲載をします。今日は、「境界性人格障害のターゲットになりやすい人」です。
境界性人格障害のターゲットになりやすい人
【おぼれる者、わらをもつかむ】
境界性人格障害に陥る方は、先日説明した、「罪悪感」を乗り越えられなかったか、または、「罪悪感」を抱けなかったために、そのような状況に陥ったことが考えられます。
また、「罪悪感」の考えのほかに、マーラーという人の「再接近危機を乗り越えられなかった」ためとする説もありますが、話が長くなるので、上の③「その他」でお話します。
いずれにしても、境界性人格障害は、「強い見捨てられ不安」と、「良い悪いなどがはっきり分かれている分裂」と、「自分と他者の区別がない投影同一視」などが特徴です。
特に強い見捨てられ不安から、ターゲットにした人にしがみついてくる感じが起きます。
「おぼれる者、わらをもつかむ」という感じで、おぼれたくないためにしがみついてくるのですが、しがみつかれたほうも一緒に沈んでしまうという感じです。
【他人を助ける仕事に就く人がターゲットになりやすい】
一般に、他人の面倒を見たりする人が境界性人格障害のターゲットになりやすいと言われます。
具体的には、学校の先生、医師、看護師、臨床心理士(公認心理士)、介護士、さらに親、子供、兄弟など、他人や他の家族の面倒を見なければならない人です。
面倒を見なければならないことから、そこに付け込んでくる時もあります。
「あんた、学校の先生でしょう? 人の面倒を見るのが仕事ね? ならば、私の面倒をみなければならないの。そうしないと教師失格ね」と言ってくることもあります。
それを断ると、「馬鹿じゃない」とこちらを散々けなしながら、「死ぬ」という言葉を発したります(むろん、そうでない人もいます)。
特に上の他人の面倒をみる職業の人は、相手が死んでしまっては大変と、境界性人格障害の人を受け入れようとします。
そうすると、「死ぬ」という言葉を発すれば、受け入れてくれる(見捨てられない)という関係ができてしまいます。
「自分なんてどうなっても良い」とか「死ぬ」とかの言葉を使うと、面倒をみる職業の人をコントロールできることになります。
質問コーナー
Q:境界性人格障害の人は具体的にどのような言葉を発して、相手を巻き込んでいくでしょうか?
A:それがあったら、その人が、一番つらい言葉を選ぶ場合があります。
例えば、医師、看護師を巻き込む場合に、「ずっと私の面倒を面倒を見てくれないと『死ぬから』という言葉は、一番敏感で、相手の反応が大きい言葉になります。
学校の先生だったら、上記の「死ぬ」以外に「教育をしないで、放っておかれる」という言葉が学校の先生に一番影響力を与えるでしょう。
これらの言葉を発せられたら、医師、看護師さん、学校の先生は、言葉を発したものを見捨てるわけにはいかなくなります。
相手の立場を考えて「見捨てられない言葉」を発することがあります。