演技性パーソナリティ障害(1) 特徴とチェック表
いままで境界性パーソナリティ障害と、自己愛性パーソナリティ障害について述べてきました。
本日から4回に分けて、演技性パーソナリティ障害の解説をします。
パーソナリティ障害は、以下の通りに分類され、特にクラスターBは他者とのトラブルが発生しやすいので、クラスターBから解説をしています。
・クラスターA:他人への不信感、奇妙で風変わりな言動
妄想性パーソナリティ障害/統合失調質パーソナリティ障害/統合失調質パーソナリティ障害
・クラスターB:演技的、感情的で移り気
境界性パーソナリティ障害/自己愛性パーソナリティ障害/反社会性パーソナリティ障害/演技性パーソナリティ障害
・クラスターC:不安で内向的。社会を避ける、他人へ依存
依存性パーソナリティ障害/強迫性パーソナリティ障害/回避性パーソナリティ障害
〇本記事のテーマ
演技性パーソナリティ障害の特徴とチェック表
〇以下の流れでお話をしていきます。
①演技性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(本日) ②演技性パーソナリティ障害の原因(明日) ③演技性パーソナリティ障害の者への対応方法(明後日) ④演技性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得してます。
〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を阻害する場合の心理学の記事を書いています。
演技性パーソナリティ障害の特徴とチェック表
【特 徴】 以下のような特徴が見られます(時と場合によって状況は変わります)。
・大げさな振る舞い、派手な外見で、他の人(特に異性)の関心や注目を集めるために限りない努力をします。
・外見を華やか、美しく保つ異常な努力をして、自分の魅力を最大限にアピールする。
・気を惹くために外見等を変えるので、話などが深まらない(中身のない話し方)。
・流行や他人の意見から影響を受けやすい。
・自分に注目を集めるために、自傷行為に及ぶこともある。
・外見に惹かれ、多くの異性が片思いに陥り、トラブルになることもある(本人は恋愛する意識はない)。
【チエック表】アメリカの精神医学会の診断基準を上げます。 (分かりやすいように少し表現を変えます)以下のうち5つ以上必要です。
1. 自分が楽しむためには、自分が注目の的になっていないと楽しくない。
2.他者との交流は、不適切なほど性的に誘惑的、挑発的な行動をとることがある。
3.浅はかで、すばやく変化する情動をとる。
4.他者からの自分への関心は、一貫して身体的外見を用いて行う。
5.芝居がかった態度や、情動表現を誇張する。一人芝居をおこなう。
6.とても印象的だが、内容がない。深い話ではない。
7.流行、他人、環境の影響をうけやすい。
8.対人関係において、実際以上の親密関係があると思っている。
質問コーナー
Q:演技性パーソナリティ障害の「他者の注目を得る努力」 というのは、誰でも行うのではないでしょうか?
A:確かに、誰でも他者の注目を集めたりする努力はしますが、それが明らかに「異常に思える程度まで行う」ことが目安です。
後の回で解説しますが、演技性パーソナリティ障害は、双極障害(躁うつ病)やうつ病などを合併しやすとも言われています。