人間関係に疲れた時13                           反社会性パーソナリティ障害(1) 特徴とチェック

反社会性パーソナリティ障害(1)特徴 チェック表

アメリカの精神医学会の診断基準であるクラスターBのパーソナリティ障害について述べてきました。

具体的には、境界性・自己愛性・演技性パーソナリティ障害です。本日はクラスターB最後の「反社会性パーソナリティ障害」です。

アルコール依存症(アル中)、物質使用障害(薬物依存)などと合併して現れることがあります。今日から4回に分けて説明をします。

〇本日のテーマ

反社会性パーソナリティ障害の特徴とチェック表

〇以下の流れでお話をします

①反社会性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(本日)

②反社会性パーソナリティ障害の原因(明日)

③反社会性パーソナリティ障害の者への対応方法(明後日)

④反社会性パーソナリティ障害の治し方の治療(和らげ方)

〇記事の信頼性

記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き

毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。

反社会性パーソナリティ障害の特徴とチェック表

【特 徴】
以下のような特徴が見られます(時と場合によって状況は変わります)。

・社会のルールや法律、他人の権利を無視したり、侵害をする。

・他人の心や身体を傷つけることにためらいがなく、同情を示さない。
良心の呵責がない。

・他人から信頼を得ることや、責任を果たすことに価値を認めない。

・嘘や暴力で他人を従わせようとすることがある。

・衝動的な行動に出ることがあります。例えばカッとなって暴力や恐喝、窃盗、性行為などがあげられます。飲酒による暴走運転などの可能性もあります。

・15歳までに非行行為(暴力、恐喝、窃盗、破壊行為、家出など)を家庭、学校で繰り返していることがある。

・場合によって、自分が利益を得られるように、 良感を周りに与えることあります。

例えば、知識人のように振る舞い職を有利に変えたり、社会的地位が高いものとして異性を口説いたりします。

全体的に自己中心的で、冷徹(れいてつ)に、犯罪行為(それに近い行為)をしてしまうことです。

・男性に多く、全体の0.5%前後から3.5%前後ほど見られるとされます。

【チェック表】アメリカの精神医学会の診断基準を上げます。分かりやすいように書き換えています。

以下の1から7までの項目が、3つ以上当てはまり、①②③が当てはまれば、反社会性パーソナリティ障害とされます。

1、法律に沿った行動をせずに、社会的なルールに適合しない。逮捕の原因となる行為を繰り返す。

2、繰り返し嘘を吐いたり、偽名を使ったり、自分の利益や快楽のために他人をだます。

3、将来の計画を立てられない。衝動的であること。

4、いらだたしさを持ち、攻撃性を有する。身体的喧嘩や暴力の繰り返す

5、自分や他人の安全を考えない無謀(むぼう)さ

6、一貫して無責任である。仕事を安定して続けられない。経済的な義務を果たさないことの繰り返し。

7、良心の呵責(かしゃく)の欠如。例えば、他人を傷つけたり、いじめたり、他人のものを盗んだりする。

①下の1から7までのこと(3つ以上)を行う人が、18歳以上である。
②15歳以前に発症した素行症に、1から7までのこと(3つ以上)の証拠がある。
③以下の1から7までのこと(3つ以上)が統合失調や、躁うつ病に原因がない。

        質問コーナー

Q:私の知り合いなのですが、一つの職場に安定できず、すぐに同僚と喧嘩をして辞める人がいます。また、奥さんがいるのですが、嘘を言ってはギャンブルを行って、無一文になります。この人は、反社会パーソナリティ障害なのでしょうか? また、アルコール依存症で入院を何回かしています。

A:この文面だけでは、詳しくは分かりませんが、上の基準に当てはめてみてください。

反社会性パーソナリティ障害の人は、「むこうみず」の所があって、自分が危機状態になっても、医師の助けや周りの助けを求めないことがあります。

治療の根気良い説得が必要ですが、あまりに障害がひどい場合は、なるべく離れて、その人と接しないほうが賢明です。

家族などどうしても接しなければならないときは、自分を守ってくれる相談機関、医師、警察など、できるだけネットワークを事前に張って、何かが起きた時にショックに備えることが必要になります。

アルコール依存症を合併している場合は、「アルコール依存症の家族会」があります。また、「全日本断酒連盟」に家族のための教室あります。→公益社団法人 全日本断酒連盟|家族の方へ (dansyu-renmei.or.jp)

 

 

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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